名も無きわたしとBUCK‐TICK

BUCK‐TICKについてあれこれ綴る自己満足のお部屋

これ以上ないほどの繊細さ

今、自分が保存している過去のBUCK-TICK本を読んでいるのだけど、けっこう内容を忘れていたりして、なかなか新鮮だ。ユータがヒデをヴォーカルのつもりで今井商店に連れてきたこと忘れてた。ユータがいなかったらBUCK-TICKって存在しないしこんなに長く続いていなかったかもしれないね。すごく冷静な目を持ってそうな人だ。あと一定のリズムで音を刻むのすごい。あれピアノでもすっごく難しい。メトロノーム的なもので練習している場面見たけど、すごい重要なことだよね。地道な練習あるのみっていうか。今井寿にからかわれていたけど(笑)アニイも音楽にのりすぎず忠実にリズムを叩いているよね。すごいなぁ。そうだ、本にはサワキさんの占いのことも書いてあった。忘れていたよ。サワキさん今なんだかすごい人になっているみたいだけどあれ本人なのかな。とりあえず見なかったことにしておこう。

そんな流れで久しぶりに「HURRY UP MODE」や「SEXUAL ×××××!」などのアルバムを聴いてみた。いやー改めて聴くと本当に変わった。あっちゃんの声が高い!そして多分腹式呼吸をしていない。けっこう喉をやられていたんじゃなかろうか。演奏もすごく一生懸命な感じがする。でも今のBUCK-TICKと全く違うかというとそうでもなくて、根底は変わっていないと思う。当時ライブハウスで聴いたら衝撃を受けただろうなぁ。かっこいいもの。当時を知る人たちがうらやましい!

いつ聴いても「DO THE“I LOVE YOU”」は素敵。なんといっても歌詞がすばらしい。始まりの「ダイヤモンド敷き詰めたら~」で心を撃ち抜かれる。あとやっぱり「歯ぐきのように~」がすごい。私はとにかく歯科受診が苦手で、とくに歯ぐきを触られるのが大嫌い。あんなに繊細で過敏な場所を他人に預けなければならないなんて、本当に毎度苦痛で仕方がない。なので恋人たちの機微?に歯ぐきのやわらかさをチョイスする今井寿という人のロマンティックで繊細で気持ち悪い感性がとてもすき。この曲は「殺シノ調ベ」でおしゃれにアレンジされているけど、私は、初期のせわしないリズムがこの歌詞にとてもマッチしているなと思っている。でも「ハードコアな」のリズムの乗せ方は、「殺シノ調ベ」のほうがいい。「殺シノ調ベ」つながりでいうと「HYPER LOVE」の「首筋に少し~」の歌詞も色あせない。「美辞麗句の爪を~」この感性。ためいき。あと久しぶりに聴くと「DREAM OR TRUTH」もよかった。このころはほとんど今井寿が詞を書いていて、あっちゃんの作品は数えるほど。すごく寂しがりやな感じがする歌詞。かまってほしい、何をしてもゆるしてほしい、自分を認めてほしい、なにもかも忘れたいけど現実が押し寄せてきて苦しい逃げたい、誰も自分のことなんて理解できるわけない、みたいな。あっちゃんてどんな恋愛していたんだろうか。初めから別れありきで付き合ってそう。終わるころにはお互いに疲れ果てていたのじゃないかしら。それでいつも自分のこと嫌いになってそう。わかんないけど。でも櫻井敦司という人は自分自身を苦しめる作業に没頭していたところから、年月を経て徐々に自分以外の世界に目を向けられるようになっていったんだね。なんだかそれだけでも少し救いがある気がしてしんみりしてしまった。あっちゃんていつも不安そうな眼をしているよね。アニイにお願いされたことを一生懸命守って、なんて健気なんだろう。この人に歌という世界があって本当によかったな、と思います。

ところでぜんぜん関係ないけどVHSってどうにか観れないかしら。BUCK-TICKの映像けっこうあるのだけど……