師走ですよ。ジュニアタッグリーグも全部見終わらない内にワールドタッグリーグも始まっちゃいました。シングルとアルバムが一括配送になっていることに気づかず騒ついていたのが遠い昔のようですね。無事に届きました。一安心。
さてさて、アルバム「スブロサ SUBROSA 」です。
始まりにびっくりしました!「百万那由多ノ塵SCUM」チューリップ狂を初めて聴いた時ぐらい驚きました。タイトルからは想像もつかなかったです。まさか今井先生のボーカルがこういう曲調で始まるとは!謎に照れてしまいました。タイトルがいいですよね。塵芥ではなく塵SCUMってところがいいです。バラード。今井先生の歌、ギターから始まってヒデ、ユータ、アニイ、と順番に入ってくるってなんか胸がぎゅーっとなります。今井先生が、自身やヒデが歌うことについて「あっちゃんほどの力量がないから」と語っていましたが、今作はメインで歌いながら演奏する、という新たな縛りが生まれたことにより、メロディはシンプルな作りのように思います。しかしそこはやっぱりBUCK-TICKです。一筋縄ではいかないおもしろさがあります。不思議な音がいっぱい。
「スブロサ SUBROSA 」
薔薇の下の内密の誓い。BUCK-TICK らしいじゃないですか。今井先生、前世でも5人は一緒だったって言っていたし、きっと永遠です。ギターズなのにギターが入っていないっていうのもらしいです。
「夢遊猫 SLEEP WALK」
ラジオで聴いた時から好きです。この曲は今井寿の音楽のルーツというか、好きなものがつまっているような感じがします。水木しげる先生の漫画で、猫さんが「この世は通過するだけのものだから、あまりきばる必要ないよ。」って語るのがあって、私あれとても好きなんですけど、その猫さんが思い浮かびます。いいなぁ。
「From Now On」
これもラジオで聴いていましたけど、ヒデがNEWS に楽曲提供するのわかるーって思いました。ベースすごくかっこいいです。
「Rezisto」
今井寿って感じで最高かっこいいです。多分あっちゃんはにやにやしていると思います。
「神経質な階段」
タイトルが秀逸。最後の金属音みたいな音が印象的です。今井先生環境音楽得意ですよね。環境音楽だけのアルバムとかほしいです。
「雷神 風神 -レゾナンス#rising 」
シングルの時より前奏長いです。MV で最後「ハートに火をつけろ」のところ、サブリミナルみたいにメンバーの顔がシャッフルするの好きです。
「冥王星で死ね」
はーーー好きです(*´Д`) これもラジオでした。すべてがかっこよすぎる。ドラムめちゃくちゃかっこいい。ヒデの「神裁く」にやられます。ガ ガ ガ ガ~のところとか、実際ライブみたら多分絶対しびれますよね。生きて帰れるかな(;´Д`)
「遊星通信」
4人でやっていくという覚悟を感じる一曲。薔薇の下での誓いを胸に突き進んでいくようなイメージです。メンバー紹介みたいな歌詞にグッときます。BUZZ BUZZ NOISE ~のところ、YAH!YAH!←これ、BUCK-TICK ですよね!これすごい好きです!
「paradeno mori」
あっちゃん!これはもうあっちゃんの歌です(^^) 歌詞にニヤリとします。あっちゃんちょっと照れているかもしれないです。ヒデの気怠げな歌声が曲とマッチしています。アルバム全編通してなんですが、ヒデの歌声ってけっこう色気あるんだなーと思いました。時々ハッとさせられます。
「ストレリチア」
シタールの気の抜けたような音色が南国の森を想像させます。でも現世ではない感じ。ベースのメロディおもしろいです。
「絶望という名の君へ」
これもけっこう驚きました。歌詞は「FUTURE SONG ‐ 未来が通る ‐」に通ずるものがあります。あちらは「蹴散らせ」で、こちらは「取り込む」ような感じです。前進あるのみ。曲調はなんと歌謡曲。ヒデの声、優しい優しい声です。高音の伸びが少し弱い感じなのですが、ボイトレに通っていると言っていたので、いずれすごい人になっちゃうかもしれません。個人的に「かわいい顔で笑う」って歌詞がお気に入りです。あと、この曲について話す時、いつもグッとくるの書いてる∑(゚Д゚)ってヒデのこと愚痴る今井パイセンおもしろい(*‘∀‘)
今までの今井寿の立ち位置的な曲。ユータが言うところの飛び道具って感じですかね。でもあっちゃんが歌わないからこれは飛び道具ではなくなって、ちゃんとって表現は変かもしれないんですけど、ちゃんとメインボーカルの歌になっています。「機能性が痙攣してる」この感性。凄すぎる。
「プシュケー -PSYCHE-」
ヒデスタイルのBUCK-TICK 。ドキッとしました。色気あります。BUCK-TICKってすごいですね。何個も弾を持っています。関係ないけどギリシャ神話ってけっこう試練が容赦ないですよね。
「ガブリエルのラッパ」
アルバムのジャケット写真みたいなオーロラの森の中にある小屋で暮らしている不思議な人間のおとぎ話みたいな曲です。なんでこんな歌詞が書けるんですかね。最後昔の映画みたいにジジジジって音がするような感じがこの曲の世界観とあっていて素敵です。
「海月」
耳をふさいだ時に聴こえる音があるじゃないですか?あれに雨粒みたいな音が降り注いできて不思議な広がりをみせるような感じの曲です。
「黄昏のハウリング」
荒涼とした大地。寂寥感。ユータが「呆然とそこに立っているような感じ」と表現していましたが、まさにそんな感じです。いつか会えると信じているけど、時々どうしようもない悲しみが襲ってくる。その悲しみをじっと佇んでやりすごす、みたいなイメージです。胸に迫るものがある曲です。今井寿の淡々とした歌声がかえって心を揺さぶります。そこにヒデの優しい歌声がそっと寄り添います。ここから1曲目につながっていく感じです。独りじゃない。5人います。
当たり前なのですが、このアルバムにはあっちゃんの歌声はありませんでした。でも私はあっちゃんの不在を感じなかったんです。今井先生の言うように、量子になって溶け込んでいるのかもしれません。あっちゃんが歌わないBUCK-TICKはこんなことをします、という壮大な実験が始まりました。
今回、今井先生とヒデに注目が集まりがちだと思うんですが、この2人が色々と実験できるのもユータとアニイの鉄壁リズム隊がいるからですよね。改めてBUCK-TICKはよくできてるバンドだなあと思うし、続けてくれてありがとうございますって気持ちです。私の一生のうちに会える機会を与えていただき感謝しかないです。生身のあっちゃんには会えなかったけど……
今井先生が「特別なことでもなく、当たり前のように、もっと淡々と」ってお話していたんですけど、なんかすごくわかるなあと思いました。このアルバムではありませんが、私「忘却」が好きなんですけど、この曲聴くと自分の家族を亡くした時のことを思い出すんです。ほんと人って誰かの何気ない日に亡くなるんですよね。信じられないぐらいの苦しみで、えー世の中の人ってみんなこんな苦しみを乗り越えて生きてるの?って愕然としました。だけど日常は淡々と過ぎていくんです。その内に、苦しみを忘れるわけじゃなくて、日常に溶け込んでいきました。みんなそうやって生きているんですよね、多分。
話が飛び飛びでなんじゃそりゃって感じですが、このアルバムを全曲聴いて、そんなことを思いました。